野趣味溢れる楽しい純米酒。小澤酒造 澤乃井 元禄
秋本番になってくるとどうしても日本酒を飲みたくなります。
東京の青梅にある小澤酒造がパリの日本酒コンクールで最高賞を受賞したということで、小澤酒造のお酒を飲みたくなりました。
ということで酒屋で購入。
と言っても受賞した酒「純米大吟醸」ではありません。
小澤酒造 澤乃井 元禄。
小澤酒造がいつから酒造りを始めたのか不明なようですが、元禄15年(1702年)には造っていたことが古文書で確認されているようです。
その古文書にある元禄時代の製法を復活させて造ったというお酒。
精米歩合は90%。私達が普段食べる米の精米歩合が92%程度というから、ほぼ同じ。
これでもかと精米歩合を競い合う昨今にあっては、なかなか見かけない数字です。
色はかなり黄味を帯びています。
香りはあまり感じられません。
純米酒ではあるのですが、フワッとした芳香はなく固い感じ。
さて飲んでみます。
「濃醇甘口」と説明されてますが、飲んでみるとそれほど甘く感じません。
日本酒度は-8度と、一般的にはかなりの甘口と判断されるような数字ですが、酸味がしっかりしていてむしろ辛口に感じます。
精米歩合が低いからか、複雑に色々な味わいが感じられます。
純米酒ではあるものの、今はやりの香り高い酒ではないですが、野趣味溢れていておいしい。
コンクールで受賞した「澤乃井 純米大吟醸」とは、対極にあると言ってもいいお酒。
元禄時代の製法と言っても、醸造技術自体ははるかに現代の方が進んでいるので、当時はこのような透き通った味わいではなかったのでしょうが、それでも昔の日本酒はこんなんだったのかな、と思わせるに足る面白い味でした。