SBかと思ったら。シャトー・オー・ガニャン
桜も咲き始め、暖かい日々が続きます。
今日は白だな、と思い、成城石井のボルドー3本セットの2本目。
シャトー・オー・ガニャン。
ラベルには「Mis en bouteille au chateau par MT Vins chez Scea Labbe Lalanne」とあります。
ラベ・ラランヌ(Labbé Lalanne)は、ボルドー南、グラーヴ地区にあるシャトー・ラサル(Château Lassalle)というシャトーを経営しています。
MTヴァン(MT Vins)というボルドーのネゴシアンがボルドー南、グラーヴ地域のシャトー・ラサル(Château Lassalle)と共同で造ったワインということのようです。
さて、味わいます。
香りはかなり樽香が強め。弱い柑橘感。
味わうと、アレ?
このワイン、品種の事前情報を全く入れずに飲んで、てっきりソーヴィニョン・ブランかと思って飲み始めました。
何か柑橘感が弱いな~と思い、気になって調べてみたら、セミヨン65%、SB20%。
セミヨンの役割をイマイチ理解できていませんが、全体的にSBの柑橘感や草っぽさが弱まり、軽い味わいになっています。
むしろ樽香を楽しませるワインということですかね?
この前飲んだ赤もそうですが、ボルドーワインは品種を表示していないので、予想した味わいと異なることが結構あります。
フランス人の友人に言わせると、セパージュを%単位まで表示するのは「エレガントではない」ということのようですが。
新世界の分かりやすい味わいのヴァラエタルワインが世界の市場を席巻している現在、ブランドが確立されている一部のワインを除いて、そんなことも言っていられないと思うのですが。
味わいの意外性を楽しむ余裕がないとダメということですかね。
生産者:MT Vins/MT ヴァン
品名:Château Haut Gagnan 2018/シャトー・オー・ガニャン 2018
種類:白
セパージュ:セミヨン、ソーヴィニョン・ブラン、ソーヴィニョン・グリ、ミュスカデル
生産国:フランス
産地:Bordeaux/ボルドー
原産地呼称:Graves Blanc(AOC)/グラーヴ・ブラン
アルコール度数:13.0%
輸入者:東京ヨーロッパ貿易
価格:(1096円)
評価:★6.5(★10~★1で評価)
成城石井のボルドー3本セット。シャトー・ムーラン・ド・レイモン
緊急事態宣言が長期化して家飲みにすっかり慣れてしまいました。
家飲み用の食材を物色するため成城石井でぶらぶらしていると、単品1500円くらいのワインをまとめたボルドー3本2900円というセットを売っていたので、何となく購入。
さっそく1本目を。
シャトー・ムーラン・ド・レイモン。
造り手はシャトー・ラヴィル。
ボルドーの東、白だとAOCアントル・ドゥ・メール(Entre-deux-mer)の地域、サンシュルピス・エ・カメラック(Saint-Sulpice et Cameyrac)という村に所在しています。
シャトーは19世紀後半に建てられましたが、1956年に現当主のフェイ(Faye)家に受け継がれワイン造りを行ってきました。
シャトーと同名のワインがファーストラベルで、このムーラン・ド・レイモンはセカンドラベルという位置づけ。
さて、開栓。
カシス香。かなり樽が利いている。
味わってみると、メルロー主体のまろやかな風味。
最近日本のスーパーに並ぶボルドーはカベソーよりもメルロー主体が多いような気がします。
やはり早飲み系だとメルローベースのほうが飲みやすいんですかね。
私はカベソー主体のボルドーも結構好きなので残念なのですが。
全体的に丸っこい味わいで、とがった特徴はないですが、タンニンが柔らかくバランスが良いワイン。
デイリーワインとしては十分満足のいくワインでした。
気軽なブルゴーニュのアリゴテ。 クロズリ・デ・アリズィエ コトー・ブルギニョン・ブラン
週末のワインは何を飲もうかと、酒屋でぼんやりワイン棚を眺めていたら、コトー・ブルギニョンという見慣れないAOCのワインがあったので買ってみました。
クロズリ・デ・アリズィエのコトーブルギニョン・ブラン。
正直これまで知りませんでしたが、コトー・ブルギニョンというAOCはブルゴーニュ全域をカバーする2011年に新設された新しいAOC。
「ブルゴーニュの丘」を意味し、陳腐化してしまったデイリーワイン的AOCである「ブルゴーニュ・グラン・オルディネール(Bourgogne Grand Ordinaire、「普段の週末用ブルゴーニュワイン」みたいな意)」をリニューアルしたもの。
ブルゴーニュの広域AOCだとACブルゴーニュのほかはパス・トゥー・グランが思い浮かびますが、パストゥーはピノノワールを1/3以上使い同じ地区のブドウを使用するという制限がある一方、このコトブルは使用品種も地区もブレンドが認められており、造り手の自由度が非常に高いAOC。ブルゴーニュではかなり異質のAOCですね。
ルールに縛られず自由に造られ、幅広い層に入門編としてブルゴーニュを飲んでほしいということのようです。
クロズリ・デ・アリズィエはスーパーなどでよく見かける造り手。シャブリの大手造り手の一人であるジャン=マルク・ブロカール氏の息子のステファン・ブロカール氏が2007年に創設。
さて、開栓。
このワインは、アリゴテ主体で造られています。
グラスを近づけると、柑橘系の弱い香りが漂います。
味わうと、グレープフルーツのような爽やかなで穏やかな酸味。
ああ、この味は・・・。
昔フランスにいたときに、仲間とよくACブルゴーニュ・アリゴテを飲んでいました。
日本に輸入されるブルゴーニュではアリゴテはあまり注目されていませんが、肩肘張らずに気軽に飲めるところがいいワインです。
うん、懐かしい味わい。
爽快でがぶ飲みできますが、VVだからなのかミネラル感がたっぷりあり、味わいに複雑さが出て飲み飽きません。 アルコールが12度と低めなこともあり、さくさくっと飲み終わりました。
コトー・ブルギニョンは様々なスタイルがあるので、ほかにどんなものが出てくるのか楽しみですね。
お祝い気分で。ドメーヌ・シゴー シャンボール=ミュジニー
子供の受験も終わり、希望校への合格が決まりました。
コロナの影響が色々なところに出て、なかなか先が見通せない一年でしたが、ほっと一安心。
自分はほとんど何も貢献していませんが、お祝い気分になり久々にコート・ド・ニュイのワインを。
ドメーヌ・シゴーのシャンボール・ミュジニー。
レ・サンティエ(les Sentiers)という一級畑。
畑の場所は、村の北端でモレ・サン・ドニと接しているところです。
ドメーヌ・シゴーはシャンボール=ミュジニー村の、19世紀から長く続く家族経営ワイナリー。1990年に今の当主になってから設備の近代化などに努め、改良が加えられています。
さて、開栓。
外観はちょっと暗みがかったルビー色。
香りは、樽由来のバニラ香がしっかりと漂います。
それに包まれてブルピノらしい華やいだ芳香が感じられますが、落ち着いてしっとりとした感じ。
味わってみると、まろやかですがコクがあります。酸味がほどよくタンニンが滑らかですがしっかりとしています。
CMのワインは女性的と評されることが多いようですが、このワインはそんなことはなくコクがあって力強い味わい。
実は2年前にも同じヴィンテージを飲みました。
その時はちょっと早く飲み過ぎてしまったようで、まだ酸味も強く味わいにざらつきが見られましたが、今回は非常に丸みを帯びてじっくり味わえるようになっています。
もっと置いてもよかったかもしれませんが、十分楽しめました。
生産者:Domaine Anne et Hervé Sigaut/ドメーヌ・アン・エ・エルヴェ・シゴー
品名:Chambolle-Musigny 1er Cru Les Sentiers Vielles Vignes 2013/シャンボール=ミュジニー プルミエ・クリュ レ・サンティエ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2013
種類:赤
セパージュ:ピノ・ノワール
生産国:フランス
産地:Bourgogne/ブルゴーニュ
原産地呼称:Chambolle-Musigny 1er Cru(AOC)/シャンボール=ミュジニー プルミエ・クリュ
アルコール度数:13.5%
輸入者:ー
価格:42ユーロ
評価:★8(★10~★1で評価)
NZのちょっとスパイシーなゲヴュルツ。ホームクリーク ゲヴュルツトラミネール
暖かくなってきたので白ワインを。
今日のワインは、 ニュージーランド。
ホームクリークのゲヴュルツトラミネール。
造り手はワイパラ地区のアロハ・ニュージーランド・ワインズ。
ホームクリークは2年前にも飲んだことがあり、そのときのワイナリー名はサザン・バウンダリー・ワインズ(Southern Boudary Wines)でした。
造り手の名前が変わっていて「おやっ」と思いましたが、前の造り手(サザン)はヴィンテージなどの詐称で罰金刑を受け、2018年2月に会社を清算したようです。サザンの従業員が会社を作って(アロハ)、ブランドを引き継いだようですね。
このワインは2017年のヴィンテージなので、サザン時代に仕込んだものを引き継いだということでしょう。再出発、頑張ってほしいものです。
開栓。
ゲヴュルツの香りはよくライチや桃に例えられますが、まさにそうとしか言いようのない香り。
さて、味わってみると、ゲヴュルツは甘ったるくなりがちですが、このワインは後味がスパイシーで引き締まった感じ。
辛口派でも受け入れやすいゲヴュルツだと思いました。
生産者:Aroha New Zealand Wines/アロハ・ニュージーランド・ワインズ
品名:Homecreek Gewurztraminer 2017/ホームクリーク ゲヴュルツトラミネール
種類:白
セパージュ:ゲヴュルツトラミネール
生産国:ニュージーランド
産地:Waipara/ワイパラ
原産地呼称:ー
アルコール度数:13.5%
輸入者:モトックス
価格:1650円
評価:★7(★10~★1で評価)
南アの謎ワイン。ライオン・マノール
買い物ついでにビックカメラの酒販コーナーをチェック。
南アフリカのワインがたたき売りされていました。
ポップで「酒石酸が沈殿しておりますが品質に問題はございません。」
わざわざ注記されているのに惹かれて、思わず購入。
赤白ありましたが、両方買ってハズすとダメージが大きいため赤を選択。
ライオン・マノール。
造り手は不明。ネット上でもほとんど情報がありません。
裏を見ると、原産地呼称はウェスタン・ケープ。
南アフリカのワイン産地の大部分が入るので、当然と言えば当然ですが。
ノンヴィンテージですが原産地呼称を名乗っているので一応マジメに造ったワインなのかな。
さらにネットでは南アワインの中心的産地であるステレンボッシュ(Stellenbosch)とありますが・・?
輸入者は鶴見酒造という見ない名前。
調べてみると、「酒造」の名の通り、1873年創業の愛知にあるれっきとした日本酒の蔵です。
インポーターとしての活動はよく分かりません。
全てが異例のワイン。
さて、謎ワインを開栓。
赤黒い濃い色調。香りは、ベリー感が強いですが立ち上がってくる感じではなく静かに漂っている感じです。
味わうと、アルコール感がしっかりあり太いボディ。
ベリーの果実味よりもアルコールが前に出ています。
ちょっとケミカルな感じもしますが、そこまで気になる程度ではなく、全体的に飲みやすい。
セパージュも不明ですが、濃い色合いや味わいからはピノタージュでしょうか。
500円を切っているワインとしては上出来。
最後まで飲み進めるが酒石酸は見られず。
値段の割にまずまず楽しめました。
生産者:ー
品名:Lion Manor Dry Red/ライオン・マノール ドライ・レッド
種類:赤
セパージュ:ー
生産国:南アフリカ
産地:Western Cape/ウェスタン・ケープ
原産地呼称:Western Cape(WO)/ウェスタン・ケープ
アルコール度数:13.0%
輸入者:鶴見酒造
価格:448円
評価:★6(★10~★1で評価)
チラノ飲み比べ。チラノ カベルネ・ソーヴィニョン
ドンキの安チリワイン、チラノ。
日本ではドンキ系列でのみ売っています。
先日のピノ・ノワールは残念な結果に終わりましたが・・。
私はドンキのマーケティングをわりと信頼しているので、「こんなものではないだろう」と思い再チャレンジしてみました。
安ワインでピノは難しいのかな、と思い今回はカベソーで。
税抜398円と798円の2シリーズがあるので、両方買って飲み比べてみました。
ボトルの形も微妙に違います。
右の値段が安い方がむしろ高そうに見えるのは私だけでしょうか。
造り手は前回も書きましたがセントラルヴァレーのランカグア近郊に所在するVyF(ウベ・イ・エフェ)。チリの大手食品メーカーAgrosuper(アグロスーパー)のワイン部門です。
輸入者はどちらもドンキ子会社のパン・パシフィック・インターナショナル。
名前は、左の798円がレゼルヴァ・エスペシアル。右の398円がヴィンテージ・コレクション。安い方もたいそうな名前です。
さて、開栓。
色はどちらも違いは見えず。
味わってみます。
(安いほう)
香りは、ボルドーの若いワインにあるようなグリーン系の香り。
味わうと、スパイシーなのはいいのですが、渋みが強く全体的に固くトゲトゲしい印象です。
アルコール感も結構強く感じ、重たい感じ。
(高いほう)
香りは、こちらのほうがベリー感がしっかりしています。
味わいはまろやかです。香りに比べて果実味が意外と感じられないですが、デイリーワインとしては気にならない程度です。
・・段々飲み疲れてきたので、一日置いて変化を見ることにしました。
翌日。
(安いほう)
グリーンの香りは健在。味わうと、前日よりも渋みが増しました。スパイシーさも残っていて、色々な味がバラバラに感じられます。味の方向性がよく分からなくなりました。開栓日に飲んだ方がよさそうです。
(高いほう)
香りは、ブルーベリーやスミレの香りがしっかり感じられ、前日よりも透明感が増しました。
味わいは引き続き丸みを帯びていますが、果実味の弱さが前日よりも目立ってきて、水っぽさがちょっと気になります。
両方味わってみて、2倍の価格差は感じられませんでしたが、安い方は終始トゲトゲしさが残っていたので、丸い味わいの高いほうが安心して飲めるという、当然と言えば当然の結論に至りました。
高いほうは、前回は同じシリーズのピノノワールで失敗しましたが、このカベソーはまずまずです。
しかし、高品質のチリ産安ワインが溢れている現状では、リピートはなかなかないかも知れません。
生産者:VyF/ウベ・イ・エフェ
品名:
①(安いほう)Chilano Cabernet Sauvignon Vintage Collection 2019/チラノ カベルネ・ソーヴィニョン ヴィンテージ・コレクション
②(高いほう)Chilano Reserva Especial Cabernet Sauvignon 2018/チラノ レゼルヴァ・エスペシアル カベルネ・ソーヴィニョン
種類:赤
セパージュ:カベルネ・ソーヴィニョン
生産国:チリ
産地:Valle Central/ヴァイエ・セントラル
原産地呼称:①Valle Central(DO)/ヴァイエ・セントラル ②Valle del Maipo(DO)/ヴァイエ・デル・マイポ
アルコール度数:①12.5% ②13.0%
価格:①437円 ②877円
評価:①★6⇒★5(翌日)②★6⇒★5.5(★10~★1で評価)