ロマンチックなワインをオッサン一人呑み。ロベール・サロー サンタムール
消費増税前日。酒の消費税率も8%から10%へ。
駆け込み買いのニュースに釣られてドンキホーテに行くと、売れ残りワインが出されていました。こういうのが時々出てくるのもドンキの面白いところです。
ボジョレーの村名ワイン、クリュ・ボジョレーの一つ、サンタムール(Saint-Amour)のワインです。
サンタムールは「愛の聖人」という意味。
サンタムール村(正しくはSaint Amour-Bellevue)のサイトによると、3世紀頃のローマ帝国、まだキリスト教が帝国から迫害されていた時代に、ローマ軍の兵士Amorさんがこの地のキリスト教徒と戦うことを拒み、この地に残ってキリスト教の宣教師となったことから、Amorさんの名前がそのまま村の名前になったようです。
また一説にはこの村の娘と恋に落ちてそのまま住み着いたのが由来とも言われています。
サンタムールのワインの4分の1は、2月14日のバレンタインデーに消費されるそうです。
輸入業者はジャストネオ。ドンキの100%出資子会社です。
このワインを輸入したドンキ側の思惑としては若いカップルに購入してもらいたいというもので、オッサンが一人で飲むシチュエーションは想定外でしょう。
そこをあえて、のオッサン一人呑み。
味わいはまあまあ、可もなく不可もなく、といった感じ。
ボジョレーらしい、フルーティーな香りと、タンニンが穏やかで全体的にまろやかなワインです。
造り手は誰だろう、とラベルを見てみると、ラベルには「Mis en bouteille par EMB71372 A F71570 POUR ROBERT SARRAU」とあります。
「ロベール・サローのブランド名で、F71570に所在するEMB71372Aという業者によりボトル詰めされた」という意味で、「F71570」はサンタムール村を含む地域の郵便番号です。
EMBはパッケージング業者(emballeur)という意味で、製造者をトレースするためにフランスで使われている事業者番号なのですが、ネットで検索しても具体の業者名にたどり着けませんでした。ボトリング専門の業者なのでしょうか。
ロベール・サロー自身はサンタムール村の近くのフルーリー村のネゴシアンです。
イマイチ誰が造っているのかはっきりしません。
Cadole du Chapitreというのは品名っぽいし。
ぶどうを造った者と、醸造者と、ボトリング業者が全て別ということなんでしょうか。
本来ラベルで造り手情報が全部分かるべきだと思いますが、すっきりしませんね。
安いワインにはありがちですが。
ラベルの「Grumage」の印はボジョレー騎士団(les Compagnons du Beaujolais)が推奨するワインであることの証なので、一応ちゃんとしたワインなのでしょうが。
愛の名の下に、色々な業者が交錯するワインでした。
生産者:Robert Sarrau/ロベール・サロー
品名:Saint-Amour Cadole du Chapitre 2017/サン・タムール カドル・デュ・シャピトル 2017
種類:赤
セパージュ:ガメ
生産国:フランス
産地:ブルゴーニュ
原産地呼称:Saint-Amour(AOC)/サン・タムール
アルコール度数:14%
価格:1382円
評価:★6.5(10段階)