ワインを飲み始めた頃の思い出のワイン。シャトー・ラ・ローズ・ブラナ
ボルドーのサン・テステフの造り手、シャトー・ラ・ローズ・ブラナ。
別に有名なワインではありませんが、このワインには思い出があります。
私は元々ビール党だったので、ワインを本格的に飲み始めたのは仕事の都合でフランスに住んでからです。
フルボディなワインが好きだったので、最初の頃はカベルネ・ソーヴィニョンをよく選んで飲んでいました。しかし、スーパーで気軽に買える若くて安いボルドーワインはタンニンの渋みが気になり飲みづらいと感じていました(今はむしろ好きになりましたが)。
自分好みのワインを探すため、パリのワイン見本市(サロンドヴァン)でボルドーワインを片っ端から飲み歩いてみました。
その時に偶然手に取ったワインがこのローズブラナです。
私が行ったワイン見本市は、Salon des Vignerons Indépendants(独立系ワイン事業者見本市)と言い、フランスやフランス周辺国各地で開催されている中小のワイン事業者のワイン見本市です。
パリでは年2回開催されており、幕張メッセのようなコンベンション会場に千以上の事業者が試飲スタンドを出します(なので全て飲むのは不可能です)。
スタンドは地域別になっておらずわかりにくいのですが、上の写真のとおり、一応看板が地域ごとに色分けされていて、それを頼りにボルドーワインを片っ端から飲んでいたところ、ローズブラナのワインに出会いました。
ローズブラナは5代続く家族経営の造り手で、この見本市にも毎回出店しています。私が初めて行った時にはスタンドには親父さん(シャトーの主であるクリスティアン・オリエ氏)がいましたが、周囲のスタンドの業者とワインを交換飲みしていたようで、昼間でしたが既に酔っ払っていたのをよく覚えています。
この時にローズブラナのワインを初めて飲みましたが、しっかりとしたカベソーのタンニンの中にもまろやかさが含まれており、これまで飲んできたワインとの違いをはっきり感じました。
それ以来、ワイン見本市のたびに買っていました。また、旅行でボルドーに行ったおり、畑に行ったこともあります(先方不在でしたが)。
ちなみにこの手の味はローズブラナ特有のものではなく、同じボルドーでもサン・テステフのワインはメルローの比率が高く、まろやかさとフルボディ感が両立されていると知ったのはずっと後になってからのことです。
それでも自分にとってはサン・テステフと言えばこのワインがすぐ頭に浮かびます。
ワインを良く知っている方からすれば変哲のないワインだと思いますが、自分にとってはボルドーワインへの道を開いてくれた思い出のワインです。
生産者:シャトー・ラ・ローズ・ブラナ/Château La Rose Brana
品名:シャトー・ラ・ローズ・ブラナ 2012
種類:赤
産地:フランス ボルドー
原産地呼称:サン・テステフ/Saint-Estèphe(AOC)
アルコール度数:13%
価格:ー(20ユーロくらい)
評価:★7(10段階)